看板制作第3弾 天理教やまとほがらか分教会

2022年4月 北海道旭川では例年よりも少し早い雪解けが進み、野外での看板制作活動をスタートする事ができました。

今回は、私が看板制作を行うきっかけを与えて下さった深谷忠一先生の教会である、天理教やまとようき分教会の部内教会で、天理教やまとほがらか分教会の看板制作をさせて頂く事になりました。

天理教やまとほがらか分教会の会長さんは植川茂先生です。天理教やまとほがらか分教会の神殿普請にあたり、深谷忠一先生に「看板も古くなっているから新調するように」と、私を紹介して頂いたようです。

ちょうどその時、私は教養掛で天理に滞在していたため、植川先生が私の所に看板を持って相談に来て頂きました。

天理教やまとほがらか分教会 神殿建築落成奉告祭

文字の復元

看板の文字は、天理教やまとようき分教会の初代会長の深谷忠政先生の字で、それを復元して欲しいとの事でした。

作業としては、看板の文字を0角度から1文字ずつ丁寧に文字を撮影してパソコンに取り込みます。

その後、その写真をpowerpointに貼付けて、トレースをして文字を転写していきます。powerpointの機能は、図形の曲線を用います。この図形の曲線機能では、後から細かい修正が可能ですので、powerpointがパソコンにインストールされている方には、お勧めな方法です。

下にトレースの動画を載せています。動画では、図形をクリックした際の選択画面がでませんが、前述した曲線機能を用いています。そして、文字の上でクリックして頂点を付けていきます。この機能の特徴を掴むためにも何度か挑戦して行ってもらえればと思います。1週まわり始点に到着した際にダブルクリックをすることで、始点と終点が繋がり一つの図形として認識してくれます。

その後、その図形を選択した状態で右クリックすると、頂点の編集が出てきますので、それで微調整を行っていきます。

この機能を使いこなすには、機能の特性を理解して、作業の慣れが必要ですので、何度か挑戦して練習して使いこなせるようになって下さい。

使用木材

今回使用した木材は、タモです。

タモ材はモクセイ科の広葉樹で、トネリコ属に分類される木の総称「タモ」の丸太からとれる無垢材です。硬い木で加工しやすく、均質な木材がとれるため、家具の材料としても用いられます。場所によって色の深さが異なる木目の美しさが人気の木材です。

表面と裏面の確認をして上下も確認します。

表面は木が生えている時に外側になる方で、裏面は木の中心部になる方です。ただし、傷や節がある場合は、考慮して下さい。長い年限雨風にさらされると、木は少し反ってきます。それが裏面側が縮む形で反りますので、表と裏を確認する事は大切です。

板の研磨から文字の転写

板の研磨から文字の転写までの作業は、基本的には前の記事の「素人が一から看板を作成してみた」と同じですので、こちらの記事を参考にして下さい。

上図は、研磨前と研磨後の写真です。

まずは、ディスクグライダーで凸凹が無くなるまでしっかりと削ります。この際に、ディスク状ですから削りで凸凹がつかないように気を付けます。

次に、オービタルサンダーで目の粗いサンダーから、徐々に目の細かいサンダーに替えて、丁寧に研磨していきます。

塗料塗り

研磨が終わりましたら、塗料を塗ります。今回私が使用したものは、水性木部保護塗料 (メープル)です。塗料は3回塗りました。1回目の後は木の目が毛羽立つので、それを紙やすりで軽く削ります。

塗布前
塗布1回目
塗布2回目
塗布3回目

マスキングテープを貼り文字入れ

まず、板にマスキングテープを貼ります。マスキングテープは剝がすときに綺麗に剥がせるニチバンを使用しています。

文字彫り

尖刀型の彫刻刀で文字の線を切っていきます。その後、今回は、ノミは使用せず彫刻刀(三角)で文字の周りを彫り込みました。彫刻刀(三角)の柄の頭を、金槌で叩きながら慎重に彫りを進めていきます。

その後、彫刻刀(平)で角を丁寧に削り、丸みを帯びさせます。最終的には紙サンダーで削ります。

また細かな部分は、ミニルーターを使用して慎重に削ります。

文字下塗り

下塗りには、カシュー自然乾燥下地2号を使用しています。少し薄め液(カシュー専用シンナー)で薄めて使用した方がいいです。

この下地を塗る理由は、マスキングテープの隙間を埋めて、上塗りをした際に、液が板とテープの間ににじまないようにする目張りの役割がありますので、少しはみ出るくらいに塗ると良いです。また、マスキングテープが剥がれている部分は再度貼りなおして、修正しておかないといけないです。

下塗り後、しっかり乾燥をかけた後、表面を綺麗に研磨します。

文字中塗り

中塗りは、「カシュー 自然乾燥 サフェーサー」を使用しました。中塗りを塗って乾燥後、紙やすり(水ひき)1000~1500で凹凸を無くすように丁寧にやすり掛けをします。紙やすりは、2cm程度に切って人差し指で丁寧に削っていきます。

文字上塗り

最後の仕上げです。上塗りをします。今回使用したのは、「油性漆塗料 カシュー色 #91 黒、1缶(80mL)」です。

ムラが出来ないように丁寧に塗ります。塗料は多く塗り過ぎないように注意します。多く塗り過ぎると、表面だけが乾燥して、中が乾燥せずしわが出来てしまいますので注意して下さい。 (自分は少し失敗した部分があります)

また、あまり気温の高いところで塗ると、気泡が出来てしまいます。気泡が出来た場合は乾燥する前に、刷毛で丁寧につぶしていきます。次の文字を塗り終わった後に、前の文字の出来栄えを確認するようにした方が良いです。あまり時間が経ち過ぎると乾燥して、刷毛で触るとムラになります。

マスキングテープ剥がし

かなり地味な作業ですが、マスキングテープが綺麗に剥がれ文字が浮き上がってくると、今までの苦労が報われる瞬間です。

最終的には、

最終的にはテープ剥がしを使用して、理などの□部分を剥がします。テープ剥がしを使用する場合は、板に傷がつかないように注意が必要です。

仕上がり

最終的な仕上がりは写真の通りです。最後まで御覧頂きありがとうございます。

詳細な制作方法は、「素人が一から看板を作成してみた」を参照して下さい。

また、今回からは制作者の名前を裏面に彫らせてもらいました。

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