看板制作第4弾:天理教西巣鴨分教会

看板制作も2年目となり、4枚目の看板を作成させて頂きました。

今回は、東京から北海道に移転された西巣鴨分教会の看板を作成させて頂きました。きっかけは、移転先に建っていた家屋の廃材が捨てられてしまうのは勿体ないということで、窓枠や靴箱、電飾などなどを解体ひのきしんさせて頂いたことでした。その際に、西巣鴨分教会の後継者さんの奥さんのお母さん(ややこしいですね・・・)に看板作成の事をお話した事で、ご依頼頂きました。

依頼の際は、後継者さんご家族で当教会へ足を運んで頂きました。その際に旧看板を持って来て頂き、その文字(先代会長様の字体)を転写してとの事でしたので、ご要望に応えさせて頂きました。

10月30日に移転奉告祭との事でしたので、まだまだ余裕があると思っていたのですが、8月の教養掛、9月に入っても全く作業が出来ない状況で、約2ヶ月間作業が進みませんでしたが、何とか10月24日に引き渡しが出来ました。

今回の看板制作記事では、文字彫りのポイントを重点に書かせていただきます。

また、今回は西巣鴨分教会の後継者さんがやすり掛けなどお手伝いをして頂きましたので、とても助かりました。2人の共同作業による看板が出来上がり良かったです。

文字の復元

看板文字の復元は第2弾から採用しています、看板の文字写真をPCへ取り込んでトレースする方法で行いました。

看板の文字は、天理教西巣鴨分教会の先代会長様の字です。

作業は、看板の文字を0角度から1文字ずつ丁寧に文字を撮影してパソコンに取り込みます。

その後、その写真をpowerpointに貼付けて、トレースをして文字を転写していきます。powerpointの機能は、図形の曲線を用います。この図形の曲線機能では、後から細かい修正が可能ですので、powerpointがパソコンにインストールされている方には、お勧めな方法です。

トレースの動画、作業法は第3弾を参照して下さい。

看板制作第3弾 天理教やまとほがらか分教会

2022年4月 北海道旭川では例年よりも少し早い雪解けが進み、野外での看板制作活動をスタートする事ができました。 今回は、私が看板制作を行うきっかけを与えて下さった…

今回の文字では、西巣鴨の「西」の字が他の文字に比し若干大きいため、拡大するとその比が目立つため、西の文字を他の文字よりも、拡大率を低下させ、逆に「巣鴨」の拡大率を上げています。

これも、PCで文字を復元しているので容易にできます。しかし、一文字ずつ同じ拡大縮小率で文字の大きさを整えることが難しいという欠点でもあります。

使用木材

使用木材は、今回もタモの無垢材を使用しています。タモは北海道に多く分布している広葉樹です。硬い木で加工しやすく、均質な木材がとれるため、家具の材料としても用いられます。場所によって色の深さが異なる木目の美しさが人気の木材です。

表面と裏面の確認をして上下も確認します。表面は木が生えている時に外側になる方で、裏面は木の中心部になる方です。ただし、傷や節がある場合は、考慮して下さい。長い年限雨風にさらされると、木は少し反ってきます。それが裏面側が縮む形で反りますので、表と裏を確認する事は大切です。

板の研磨、塗料塗り、文字の転写

板の研磨、塗料塗り、文字の転写は第3段までと変わりない工程となりますので、詳しくは下記の記事を参照して下さい。

看板制作第3弾 天理教やまとほがらか分教会

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文字彫り①:文字周りの彫り

文字彫は第3弾からは、ノミを使用せずに彫刻刀のみで作業しています。まずは「三角彫刻刀」で文字の周りを彫り込みます。この三角彫刻刀で彫る際のポイントをまとめてみました。

ポイント1:文字の払いの部分は浅く彫る

文字の太い部位、細い部位でも彫り込みの深さはほぼ変えていませんが、文字の払いの先端の細い部位に関しては彫り込みを浅くしていきます。

ポイント2:木の目に逆らわず彫る

彫る際には木の目を意識して彫らないと、木が裂けてしまいますので注意が必要です。これは木の目によって、どちらの方向から彫るのか変化しますので、実際に彫ってみて目に刃が引っ掛かるなどがあれば、無理に彫り進めず反対から彫るようにします。

彫る作業は手のみの力で彫ると、抵抗によって勢いがつき過ぎたりもするため、彫刻刀(三角)の柄の頭を、金槌で叩きながら慎重に彫りを進めていきます。

ポイント3:文字の縦と横が交差する部位は横から彫る

文字の縦と横が交差する部位は縦から彫ると、彫らない部位まで木が裂けていく時があります。それを防止するために横から彫ります。横から彫り進め、あらかじめ縦の彫りが重なる部位まで彫っておき、その後から縦を彫り横の彫り以上に裂けていかないようにしておきます。

文字彫り②:蒲鉾彫り

三角の彫刻刀で彫った後は、蒲鉾彫りにするため、文字の内側の部位を「平の彫刻刀」で角を削り丸くしていきます。これは手作業で丁寧に彫り進めていきます。

この際に、文字の太い部位と細い部位では角の落とし方、丸みの湾曲の角度が異なります。当然ですが、丸みの頂点は文字の線の中心になりますので、太い部位は頂点までの距離が長くなるため角度は鈍角になります。逆に、細い部位は頂点までの距離が短いため角度は鋭角になります。

平の彫刻刀で彫り進めた後は、指の幅の1.5倍程度に切った紙やすりで丁寧に削っていきます。この際に使用するやすりは、200程度の少し粗い物を使用します。

今回は、私が教養掛の際に彫っていた部位に関して、後継者さんがやすり掛けをして頂いたので、助かりました。

下塗り、中塗り、上塗り、マスキングテープ剥がし

本工程については、下記の素人が一から看板を作成してみたの記事と同様の工程となりますので、そちらの記事を参照して下さい。

素人が一から看板を作成してみた

目次1 看板作成に至った経緯2 木材選定と研磨3 木材 塗料塗り4 マスキングテープを貼り文字入れ5 文字彫り6 文字下塗り7 文字中塗り8 文字上塗り9 看板取り付け10 費用総…

仕上がり

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