2022年2月　月次祭講話要約　～時間と空間のご守護～

講師：柴田正慶（5代会長）

　只今は2月の月次祭を結構につとめ終えさせて頂きました。ありがとうございました。

　少々お時間を頂戴してお話しお取次ぎさせて頂きたいと思います。

　親神様は教祖をやしろとして、教祖の口を通して「元の理」を教えて頂き、人間は何のために、だれによって、いつ、どこで、どのように創造されたのか教えて頂いています。

　親神様が人間を創造された目的は「人間が陽気ぐらしをするのを見て共に楽しみたい」という神人和楽のためであり、「元はじまりの話」から、どのように人間を創造したかを教えて下さっています。

　親神様とは「くにとこたちの命様」と「をもたりの命様」であり、人間創造時のくにとこたちの命様のお姿は1頭1尾の大龍で、をもたりの命様は12頭3尾の大蛇の姿であったとお聞かせ頂いています。そして、くにとこたちの命様は世界の空間、つまりは場所を創造され、をもたりの命様は時間を創造されたのであります。

　この時間と空間というものは、人間に限らずこの世に生を受けているものにとって離れる事が出来ないものであり、とても大事なものであります。しかし、空間と場所は身の周りにあるにも関わらず、人間がどうする事も出来ないものであります。時間を止めたり早めたり飛び越えたりという事は出来ませんし、場所を移動する事は出来ても場所自体を動かしたり、空間を飛び越えたりは出来ません。一番身近にあるけど、一番どうにもならないものかと思います。ですから、この時間や空間のご守護は本当にありがたいと思えるご守護かと思います。

　私はこのご守護を頂くために必要なのは、日々の「ひのきしん」や「おつとめ」を通して親神様に喜んで頂けるような時間を奉げて尽くす事かと思います。

　私が経験した時間と空間のご守護を一つ紹介させてもらいます。それは子供が大難を無難にして頂いた事です。冬のある時、来客者を見送るために外に出ると、息子が一緒に出てきて屋根から落ちた雪で出来た山に登って遊んでいました。私は来客者と少し雑談をして、息子の事も気にはしていましたが、屋根を見ても雪がなかったので大丈夫か！と思っていました。いよいよ来客者が車に乗って出ていく時に、息子に「こっちに来て一緒にバイバイしよう！」というと、息子も素直にこっちに来たんですね。その瞬間に屋根の上の方から10cm程も厚さがある1ｍ四方位の分厚い氷が落ちて来たんです。屋根の下の方は雪が無かったので、雪は落ちて来ないと思っていたのが、上の方にはそんな大きな氷があったんです。それが落ちてきたのですが、ちょうど山から降りたときだったので大丈夫でした。もし、息子がそこに居たらと思うとゾッとしました。ちょうど山を降りた時、ちょうど来客者を見送る時で目の届くところに居た事、もし別の時間帯で子供だけが外に出てそこで遊んでいる時だったら？と色々と考えると本当にゾッとしました。息子はいつも鼓笛活動や朝夕のおつとめ、月次祭、お下がり掃除と教会の事に対して素直に色々としてくれています。その時間を遊びやゲームなど自分のやりたい事だけに費やしていたら、このような御守護は頂けなかったのではないかと思います。

　私自身も時間や空間のご守護を頂いた事は沢山あります。その度に親神様に感謝を申し上げて、そして今、教会長になってからは教会の事を優先して時間を費やすようにしています。社会で働いていた時は難しい時もありましたが、出来る限りの事はさせて頂いたつもりです。さぼっても誰にも怒られない場合もあります。しかし、怒られないから良いわけではなく、これは親神様との間の約束の様なものでありますから、親神様に届く行い、心遣いが大切なのかと思います。

　ですから「ひのきしん」をしていても心の中で「いやだな！」とか「私はやっているのに、あの人は全くやらなで！」など不足に思って「ひのきしん」をしているのであれば、これは親神様に届かないのかと思います。

　ただ、この「ひのきしん」を都合の良いように使うのは良くないと思います。例えば、雇用主が被用者に、また上司が部下に対して、時間外勤務を強要して賃金を支払うのを「惜しい」という「ほこり」の思いから、これは「ひのきしん」だから時間外の超過勤務手当は支払わない。また、自分が楽をしたいという「ほこり」の心から、「ひのきしんだから、あれも、これもやっておいて！」などと都合の良いように人を使うということは、これは「ひのきしん」でもなんでもないですよね。やはり「ひのきしん」は自らが進んで行う行動かと思います。

　「くにとこたちの命様」の月様の如く陰で尽くす心、「をもたりの命様」の日様の如く隔てなく照らし暖かい情愛の心で求めることなく尽くす心で「ひのきしん」をする事、そういう心でお通り頂ければ、今お話した時間、空間のご守護を頂けるのではないかと思います。

　本日はありがとうございました。