2021年8月　月次祭講話要約　～元の因縁は「陽気ぐらし」～

講師：柴田正慶（5代会長）

　本日は、8月の月次祭、子供達も夏休みで子供たちが勇んでおつとめをつとめてくれました。本当に、嬉しい事だと思わせてもらいます。

　本日は子供達も沢山いますので、天理教の根本的なお話をさせて頂ければと思います。長く信仰して下さっている信者さんにとっては釈迦に説法なお話になるかと思いますが、お付き合いの程宜しくお願い致します。

　どうぞ宜しくお願い致します。

　この天理教の元の因縁とは「陽気ぐらし」をする事です。親神様は人間が陽気ぐらしをするのを見て共に楽しもうと思い、人間を創造されたのです。これが元の因縁です。因縁というと悪い事を想像してしまう人も多いかと思いますが、元の因縁は「互いに立て合い、扶け合って、陽気に暮らしましょう」という良いことです。天理教の教えは「ダメ」の教えと親神様から教えて頂いています。ダメとは全然ダメとか効果のない事という事ではなく、「最後」という意味で、ダメの教えとは最後の教えということです。

　なぜ、最後なのかというと「何故、親神様が人間を創造したのか」「親神様はどうやって人間を創造したのか」ということを今まで人類創造から教えた事はなかったのですが、それを、この天理教という形で最後の教えとして親神様が教祖のお口を通して教えて下さったために「ダメ」の教えといいます（元の理参照）。

　では、どうやったら陽気ぐらしができるのか？ということも、親神様はちゃんと教えて下さっています。それは、「八つのほこり」「かしものかりものの理」という教えです。陽気ぐらしをするために、八つのほこりである「おしい」「ほしい」「にくい」「かわいい」「うらみ」「はらだち」「よく」「こうまん」のはこりの心を、毎日のおつとめで払い、また、八つのほこりの心遣いをしないように、「心を澄み切らせる」ことが大切なのです。そして、今日の祭文でも読ませて頂いた通り、人間の身体は親神様からの「かりもの」親神様からすれば「かしもの」だという事を忘れてはいけないという事です。

　今、新型コロナウイルスの感染症が終息せず、未だに猛威を奮っています。このウイルスは自分でどうにもなりませんし、感染したら重症化するのか、後遺症が残るのか、これも自分ではどうにもなりません。やはりこれは、「身体は親神様からのかりものという事を、今一度ちゃんと考えなさいよ！忘れてないですか？」という親神様からのメッセージだと思っています。

　そして、この世界の大地、海、火や水や風、そして木や電気などなど、これも全て親神様からのかりものです。今現在も日本、世界で起きている地震や洪水、土砂災害、山火事、台風などは、人間の力ではどうにもなりません。言わば親神様の懐住まいで、このお借りしている身体で住まわせてもらっているという事です。

　また、今お話ししたような、普段は見えているものが全てだと思いがちですが、見えない世界は確実にあり、見えない世界と見えている世界は、互いに干渉していると考えています。この見えない世界も親神様からのかりものです。良い行いや考えをすれば、良い事が起き、悪い行いや考えをすれば、悪い事が起きる。これは、見えない世界が、見えている世界に影響を及ぼすためで、人間には見えない世界であっても親神様には見えているわけです。

　そして、これからは時代が変わると思っています。今までは見えるものに囚われがちでしたが、これからは、見えるものへの執着が薄れる気がします。お金がなくても買い物ができるキャッシュレス、紙がなくても字が読めるペーパーレス、コードが無くても繋がるコードレス、などなど今まではあって当たり前のものが無くなる、そういう価値観が普通に定着してきています。特に、この新型コロナウイルス感染拡大の影響で、見えない物に関する価値観がさらにガッラと、急速に加速して変わると考えています。

　ですから、人間の身体はもちろん、見えるこの世界すべてのもの、また見えないものも全て親神様からの「かりもの」であるという価値観も、どんどん変わっていき、もしかしたら、これから生まれてくる令和の子供達にとっては、当たり前の時代になってくるような気もしています。 我々も、「かしものかりものの理」を深く思案して、そして自分自身の心にほこりを積まぬよう、人にはほこりを積まさないように、元の因縁である「陽気ぐらし」が皆で出来るように、日々お通り頂き、毎日少しずつ積るほこりを毎日のおつとめで掃除させてもらい、結構に通らせて頂きたいと思います。