2024年2月月次祭講話要約「かしもの・かりもの」

　只今は2月の月次祭をつとめ終えさせて頂きました。
　御参拝下さった皆様、誠にありがとうございました。

　本日は「かしもの・かりもの」についてお話させて頂きます。

　おふでさき　第三号　40、135には　「たん／＼となに事にてもこのよふわ　神のからだやしやんしてみよ」とあり、さらにそれに続く、第三号　41には「にんけんハみな／＼神のかしものや　なんとをもふてつこているやら」とあります。
　天保9年10月26日に教祖が「月日のやしろ」と定まられ、我々人間は親神様の教えを教祖のお口を通して聞かせて頂くことができました。そして、親神様は「元の理」の教えを通して、我々人間をどのように創造されたのか教えて頂き、そして、人間を創造した目的が「人間が陽気ぐらしをするのを見て共に楽しみたい」と思召されたからであると教えてくださっています。

　現在では、化学が進歩して研究が進み、地球がどうやって誕生したのか、また人間はどのように進化してきたのか、というような様々な事がわかってきています。地球は元々泥海であったこと、46億年前にティアが地球に衝突したジャイアントインパクトにより地球と月が誕生したであろうということ、月の引力により地球上に水が存在すること、シアノバクテリアにより地球上に酸素が増えたこと、鉄が地表から容易に採掘できること、話せば切りがないくらい全て人間が進化するのに都合の良い環境が整っていることは、奇跡でもなんでもなく、最初から親神様が人間を創造して、その住みやすい環境を整えて下さった、いわば親神様からの「かしもの」であるということです。また、人間の進化は、アスガルドアーキアがミトコンドリアを取り込むことで、人間や植物へ進化できる真核細胞が誕生したこと、その進化の過程で、人間以外の様々な植物や動物が誕生して地球上に存在していることも、人間にとって都合が良い環境であり、これも全て親神様からの「かしもの」であるということです。これらのことが「元の理」には記されているのかと思います。
　いやいや、道具や家電製品、食物だって人間が造っているじゃないか？とも思われるかもしれませんが、その道具や家電製品、食物となる元は、やはり親神様からお与え頂いているものであるということを理解しなくてはならないのかと思います。

　そして、親神様から唯一人間が自分で使う事を許されたものが、「心」であると教えて頂いています。その心通りに身の内をはじめとする身の周り一切を守護して下さっています。この「心」を「陽気ぐらし」を目標に、親神様の思し召しに沿った心の使い方をすることが肝心であり、我さえ良ければという利己的な考えや、今さえ良ければという刹那的な考えを捨てて、互い立て合い救け合いの精神で暮らしていくことが大切なのだと思います。
　しかし、世間では争いや詐欺など、人が人を殺めたり、人を騙して理をかすめたりすることがあります。では、なぜ親神様は最初から親神様の思い通りになる人間を創造しなかったのか？というと、それでは親神様が、人間が陽気ぐらしをするのを見て共に楽しめないから、人間に心を使う事を許されたわけであります。ですから、我々人間は親神様の思し召しに沿って、互い立て合い救け合いの精神で、悩んでいる方がいれば親身に寄り添い「おつとめ」で治まりを願い、身上で苦しんでいる方がいれば「おさづけ」を取り次がせて頂く。そしてその心を親神様に受け取って頂くことで、不思議な救けのご守護をお見せいただけるわけであります。この教会は「お救け道場」と呼ぶ方もいます。私もその通りだと思っております。しかし、そのお救けも一人では限界がありますし出来ません。皆がそれぞれ出来る事を出し合って、互い立て合い救け合いの精神でなくてはならないと思っています。

　本日は、「かしもの・かりもの」についてお話をさせて頂きましたが、この「かしもの・かりもの」の理を良く理解して、身の内一切のこと、身の周り一切のことに対して「感謝」して通らせて頂き、互い立て合い救け合う陽気ぐらし世界を目指していくことが大切かと思います。最後に1つ、本日のお話の「かしもの・かりもの」について、今聞いてなるほどと思っても、人間ですからすぐに忘れがちです。ですから毎日のおつとめで、身の内一切、身の周り一切を結構に通らせて頂いていることに「感謝」して忘れないように、お通り頂くことが大切だと思います。以前にもお話させて頂きましたが、おつとめで「願い事」ばっかりを神様に申し上げる事に夢中になって、「感謝」の気持ちを忘れないようにして頂ければと思います。私も毎日「感謝」の気持ちを忘れがちですので、朝夕のおつとめで必ず「感謝」申し上げて通らせて頂いております。

　ご清聴ありがとうございました。