2023年6月月次祭講話要約「さしづ万事よう聞き分け」

只今は6月の月次祭を無事つとめ終えさせて頂きました。
御参拝下さった皆様、誠にありがとうございました。

本日は、「さしづ万事よう聞き分け」というお言葉について、私の思うところをお話させて頂きます。

明治25年5月14日(本席歯のお障りに付御伺)のおさしづの一文を拝読させて頂きます。

「さしづ万事よう聞き分け。尋ね事情に一つの理の間違いは無けれども、めん/\心の理より、聞きよう取りようで違う。心が違う。こうであろか、あゝであろかと、めん/\心に拵え案じる。これ聞き分け。何時刻限事情にて諭し掛ける。(中略) 聞けば当分一時の処に治まる。なれど日が経ち、月が経てば忘れる。めん/\勝手、めん/\の理、事情で皆忘れる。不足言うやない。成らん事をせいと言うやない。これまでの道、めん/\皆通りたやろ。どうであろう/\と暮らして通りた道である。よう聞き分け。」

「さしづ万事よう聞き分け」とありますように、「おさしづのあらゆることを、しっかりと聞き分けて欲しい」という親神様のお言葉です。親神様からのお言葉である「おさしづ」に千に1つも間違いはないが、人それぞれの心の理で聞きよう取りようが違い、こうかな?ああかな?と人それぞれ、親神様が伝えたい事とは違うことを勝手に心に拵えてしまう。ということであります。この「めん/\心の理より、聞きよう取りようで違う。」というのは、人間だれでもあると思いますが、ことわざにも「物は考えよう」とある通り、考え方次第で自分の都合の良いようにも考えられるし、悪くも考えられる訳であります。

以前、私が仕事していた職場でも、同じ部署内または他の部署の方とトラブルがあった場合には、上司として事情を聞き取り対応しなくてはなりませんでしたが、大抵の場合はこっちに聞けばあっちが悪い、あっちに聞けばこっちが悪いと、双方の言い分は異なる事が多く、対応の糸口が見えず悩まされた事も多くありました。また、お互いの歩み寄りを促しても、感情が高ぶってしまっており、お互い一歩も引かず中々治まりがつかない事もしばしばありました。その様な場合は、周りの方からも事情聴取をして、トラブルの原因を確認して問題解決を図るのですが、一番厄介なのは「自分は悪くない!自分が正しい!自分は嘘をついてない!」と、信じ切っている方に対しては、何を言っても聞く耳を持っていないので、最終的に根本的な解決が出来ない事もありました。

みかぐらうた 六下り目に

七ッ なんぼしん/゛\したとても こゝろえちがひはならんぞへ
八ッ やつぱりしん/゛\せにやならん こゝろえちがひはでなほしや

とありますが、このお歌の解釈は

(七ッ)いくら長く熱心に信心しても、根本の心がけを間違えて神の心に添わぬ心得違いがあってはならん
(八ッ)とはいっても、この世を創造された親神を信心しないという訳にはいかないのであるから、
    誤った心がけで信心してきた者は、一からやり直してでも信心を続けるように

という解釈であります。

しかし、前述した通り自分自身では心得違いをしているか分からなくなってしまっていることもあると思います。ですから、常に親神様、教祖のお言葉に自分の考えを照らし合わせ、心得違いは無いか?と、確認をする事が大切なのだと思います。しかし、以前よりお話しています通り、逆に「あの人は心得違いをしている!」と教理を武器として、心無い言葉で相手を強く攻め立てたりすることは、相手に不足をさせる事となり、あまり善い行いであるとは言えません。しかし、誰かとトラブルがあり事情が生じた際には、心得違いを親神様が鏡として映して下さったのだと素直に受け止め、どちらか一方ではなく双方が親神様の思し召しに沿わない心遣いがあったのだと考え、人からの忠告を素直に聞き入れる心を持つことも大切であると思います。

それでも我々は人間ですので冒頭に拝読した「おさしづ」にある通り、「聞けば当分一時の処に治まる。なれど日が経ち、月が経てば忘れる。めん/\勝手、めん/\の理、事情で皆忘れる。」と、聞いた時は心に治まり反省をするのですが、時が経てば自分の癖性分とでも申しましょうか、以前に聞いた事は忘れて、また同じことを繰り返してしまいます。しかし、何度でも反省をして少しずつでも自分自身を変えていく努力をするという事が大切なのかと思います。この天理教の教えは、心を切り替え人生を切り替える事が出来る教えであるとお聞かせ頂きます。

「心が変われば人生が変わる」という言葉に、次のような言葉があります。

「心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる。運命が変われば、人生が変わる。」

この言葉は様々な著名人が引用しています。最初に、「心が変われば」とありますが、注意しなくてはならないのは、前述した通り考え方によって良いように捉えたり悪く捉えたり、さらには一度定めた心を覆すというような意味の「心が変われば」という事ではありません。これは、本日の本題であります、「さしづ万事よう聞き分け」と、親神様の思し召しに沿った、良い方向へ心を切り替えるという事が、結果的に人生を切り替える事が出来るという事であると思います。

例えば、心を切り替えて、「ゴミを捨てる人」が「ゴミを拾う人」になれば、「愛想が悪い人」が「挨拶の出来る人」になれば、「飽きっぽい人」が「継続する人」に変われば、「悪態をつく人」が「礼儀を重んじる人」に変われば、「無関心な人」が「思いやりのある人」に変われば!どうでしょうか?運命が、人生が変わる気がしませんでしょうか?もう、お気づきの方もいるかと思いますが、今お話しした「変われば」の方の行動は、大谷翔平選手が高校時代に目標達成シートに記載した内容で、大谷選手が実際に行動に移している内容です。

もちろん、心を切り替え行動を切り替えても、すぐに結果が出るわけではないと思いますが、その行動が親神様にお喜び頂ける心遣いや行動であれば、少しずつ/\ではありますが周りが変わってくるのではないかと思います。そのためには、「八つのほこり」を毎日のおつとめで払い「心を切り替え」、「かしもの・かりものの理」を良く心に治め、「十全の守護」に感謝し行動に移す「ひのきしん」に励み「行動を切り替える」事が大切なのではないかと思います。

本日は、「さしづ万事よう聞き分け」というお言葉について、私の思うところをお話させて頂きました。
ご清聴ありがとうございました。

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相談役:教会長 柴田正慶
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