2022年6月 月次祭講話要約「たんのう」

私事ではありますが、2010年に潰瘍性大腸炎を発症して、現在は寛解に近い状態にさせてもらっています。しかし、2020年まで仕事をしていた時には様々なストレスもあったせいか、薬を服用していないと調子が悪くなる時がありました。また、その薬を服用し始めた2010年頃から、肘と膝に乾癬(うつらないです)が出来ていました。それが、2021年の教会長になる少し前頃から、薬を服用せずとも潰瘍性大腸炎の症状が出なくなりました。また、乾癬に関しては、皮膚科で処方して頂いた薬で全快しました(それまでも違う皮膚科には通っていたのですが、良くならなかったです)。

これら病気は大別すると、皮膚と内臓皮質の病です。そして、このご守護をして下さっているのが、「くにさづちのみこと様」です。「くにさづちのみこと様」は、「人間身の内の女一の道具、皮つなぎ、世界では万つなぎの守護の理」でありますから、自分の「いんねん」が「つなぎ」に関するものであると自覚させて頂けます。

「くにさづちのみこと様」の御心にかなうのが「たんのう」「つなぎ」「お尽くし」であると教えられています。ここで、先に一つ言っておきますが、私が「たんのう」の心や「つなぎ」「お尽くし」の心が出来ているという事ではありませんのであしからず。

「たんのう」については、天理教教祖伝逸話篇に次のようなお話があります。

天理教教祖伝逸話篇 21 「結構や、結構や」

慶応四年五月の中旬のこと。それは、山中忠七が入信して五年後のことであるが、毎日々々大雨が降り続いて、あちらでもこちらでも川が氾濫して、田が流れる家が流れるという大洪水となった。忠七の家でも、持山が崩れて、大木が一時に埋没してしまう、田地が一町歩程も土砂に埋まってしまう、という大きな被害を受けた。この時、かねてから忠七の信心を嘲笑っていた村人達は、「あのざまを見よ。阿呆な奴や。」と、思い切り罵った。それを聞いて忠七は、残念に思い、早速お屋敷へ帰って、教祖に伺うと、教祖は、「さあへ、結構や、結構や。海のドン底まで流れて届いたから、後は結構やで。信心していて何故、田も山も流れるやろ、と思うやろうが、たんのうせよ、たんのうせよ。後々は結構なことやで。」と、お聞かせ下された。忠七は、大難を小難にして頂いたことを、心から親神様にお礼申し上げた。

「たんのう」というのは、漢字では「足納」と書き、満足の思いを心に納めることという意味であります。ただ、現実的には満足の心を納める事が難しい場合が多いです。「たんのう」とは「がまん」とは違います。逸話篇のお話にあります、農家の方にとっては田や畑はとても大切なもので、それらを失うという事はとても耐えがたい苦しみであると思われます。そこを「がまん」するのではなく、自らの「いんねん」を悟り、大難を小難にして頂いたと喜ぶことが「たんのう」だと思います。例えば、誰かに何か言われた際に、心の中では「なにくそ!!いつか言い返してやる、仕返ししてやる!」と思っていても、口に出すと喧嘩になる面倒なことになるから「がまん」しよう。これは「たんのう」ではありません。たんのうは、その様な場合でも、私の為に言ってくれているのだから、自分に何か悪いところがあったのではないか?と考えて自分に非や間違いがあれば正して喜ぶ事が「たんのう」です。しかし、山中忠七先生の様に大難を小難にして頂いた事に感謝し心に納めることはとても難しいです。また、自分の「たんのう」の心が未熟である場合の方が多いですが、理不尽というものもあります。理不尽を辞書でひきますと「道理に合わないこと、あるいは矛盾していること、筋が通らないこと」とあります。この場合は、どれだけ考えても心には納まり難いです。では、「がまん」しなくてはならないのか?この場合は、先に私の体験でお話した「いんねん」を自覚しなくては本当の意味での「たんのう」にはならないと思うのですが本当に難しいです。では、どういたら良いのか?私の尊敬している先生から教えて頂いた事ではありますが、「転ばぬ先の杖」と思い、自分が将来同じような事をしないように今見せて頂いていると思い、将来の万が一のトラブルに備えて予め十分な準備をしておくことが大切であるとお聞かせ頂きました。自分自身も完璧な人間ではありませんから、どこで誰かを傷つけている事もあるかもしれません。自分が良かれと思い言った事でも、人を傷つけている事もあるかもしれません。そういう事を、ひとつひとつ学ぶ場を与えて下さっていると思い、何事も喜び勇んで「たんのう」して通る事が大切だと思います。

お悩み相談を受け付けています

夫婦や家族、職場の人間関係、子育てや病気など、誰かに聞いてもらいたいけど、身近な人には打ち明けられない。そんなお悩みを聞かせて下さい。
相談は無料です。

相談役:教会長
JADP認定メンタル心理カウンセラー(R)資格

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です