こんにちは。 天理教北旭道分教…
2022年3月 月次祭講話要約 ~霊祭をつとめる意義~
講師:柴田正慶(5代会長)
只今は3月の月次祭を結構につとめ終えさせて頂きました。ありがとうございました。
少々お時間を頂戴してお話の取次ぎをさせて頂きます。宜しくお願い致します。
本日は、月次祭終了後に春季霊祭をつとめさせて頂きます。この霊祭は春秋のお彼岸につとめさせて頂きます。日本おける、お彼岸は「春分の日」と「秋分の日」と国民の祝日になっています。昭和23年に公布された「国民の祝日に関する法律」の第2条に、各祝日の主旨が定められておりますが、「春分の日」は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、そして「秋分の日」は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日と記されています。
この「彼岸」という言葉は、仏法で悟りの境地という事であるそうです。そこに至るために、自分自身を見つめなおし、修業する事が大切であると言われており、その修業徳目を六波羅蜜(ろくはらみつ)と言われています。
この六波羅蜜は
①布施(ふせ)「見返りを求めず、他人のために惜しみなく善行を施すこと(布施波羅蜜)」
②持戒(じかい)「戒律を守り、身を慎み、他人に迷惑をかけないこと(持戒波羅蜜)」
③忍辱(にんにく)「身に起こる災いを受け容れ、耐えしのぶこと(忍辱波羅蜜)」
④精進(しょうじん)「誠心誠意努力を続けること(精進波羅蜜)」
⑤禅定(ぜんじょう)「常に静かな心を持ち、動揺しないこと(禅定波羅蜜)」
⑥智慧(ちえ)「怒りや愚痴、貪り(むさぼり)に捉われず、物事の真理を正しく見極めること(般若波羅蜜)」
の6つになります。これらは天理教でも「十全の守護」「八つのほこり」を始め、その他の教理で同様の事を教えられているかと思います。
宗教を信仰する事は、天理教では親神様を信じて、親神様から教えて頂いた通り「陽気ぐらし」をする事。そのためには「かしもの・かりものの理」を理解して、「つとめ」により「八つのほこり」をはらい、他人を扶けたら我が身たすかると教えられる通り、「さづけの理」を頂戴して他人を扶ける。この2つの「つとめ」と「さづけ」がやはり大切かと思います。そして、もう一つは先祖代々の霊様を敬い偲ぶという事も大切かと思います。
私も天理教を信仰して、今はこうして教会長という立場をさせて頂いていますが、天理教を始めたきっかけが、これと言って無いのが事実です。親の代から天理教を信仰しており、生まれたのが教会ですから、きっかけと言えば教会に生まれた事でしょうか。ただ、教会長になろう!と決心した元一日はちゃんとあります。
今、若い人たちの間で、親ガチャという言葉があり、2021年の流行語大賞にもノミネートされました。これは、子供は生まれてくるところを選べず、どの親にどの家庭に生まれてくるのかは運任せであるという、ゲームのガチャにたとえた言葉です。しかし、生まれてくるところは運任せなどではなく、やはり親神様が「魂のいんねん」を見定めて、適切な親、家庭に魂を生まれかわらせてくれているのだと、私は信じております。
信仰の元一日は誰にでもあるかと思います。それが、大きな病気を治して頂いた事や事情を治めて頂いた事などをきっかけに入信される人もあれば、私の様に親からの信仰で自分もなんとなく信仰しているという事もあるかと思います。病気を治してくれた事や事情を治めてくれた事がある場合は、信仰するという明確な自分自身の意思がありますが、親からの信仰の場合は、信仰するという明確な自身の意思がなかなか見出せない事も少なくないと思います。
しかし、これは逆にとても喜ばしい事でもあると思います。なぜならば、病気もなく大きな悩みや事情のもつれもなく、今を幸せに生きているという証だからです。では、これは何故か?と考えますと、自分に徳があるから?という事もあるかもしれませんが、私は、やはり親々からの信仰のお陰であると思っています。親々がこの命を繋いで頂いた事もありがたい事ですし、そして、今何事もなく幸せである事も、親々のお陰でもあると思います。
そのご恩に対して、出直された霊様に直接的な恩返しは出来ませんが、この恩に報いるには、朝夕そして春秋の霊祭には、霊様を偲び供養して頂く事が先祖を敬うということかと思います。これが自身の魂に徳を積むという事にも繋がるのではないかと思います。そして、子が親となり、親がまた子に生まれかわる。この循環は長の年月変わることなく繰り返されてきた事であると教えられています。つまりは我々自身もいずれは出直しして、生まれかわった際に、親ガチャではなく「いんねん」ある親、家族の所に生まれかわり、それが良かったと思えるかどうかは、今の自身の魂の徳によるのではないかと思います。
この後、引き続き霊祭を執り行わせて頂きますが、今お話させて頂いた事を基に、皆様方がそれぞれ考えて頂き、霊様に御参拝頂ければ幸いです。
本日はありがとうございました。
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相談者:教会長
メンタル心理カウンセラー資格受講修了 検定試験受験予定
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