2025年4月月次祭講話要約「心を澄ます」

 春の陽気が漂う中、庭ではチューリップの目が顔を出し、福寿草やクロッカスが花を咲かせています。そんな陽気の中、只今は4月の月次祭を皆さまとともに陽気に勇んでつとめさせていただけたこと、心から嬉しく思います。ご参拝いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。

本日は、「心を澄ます」ということについて、お話させて頂きます。

 現在、天理教青年会では基本方針「心を澄ます毎日を~ほこりを減らし、誠を増やす~」を掲げています。では、心を澄ますためには、我々はどうしたらよいのでしょうか?

心を澄ます手立てとして、『おふでさき』には次のようにあります。

これからは みずにたとえて はなしする
すむとにごりで さとりとるなり (おふでさき 三号-7)

このみずを はやくすまする もようだて
すいのとすなに かけてすませよ (おふでさき 三号-10)

このすいの どこにあるやと おもうなよ
むねとくちとが すなとすいのや (おふでさき 三号-11)

 親神様・教祖は、心を澄ます手立てとして、心の汚れを水の汚れに例えてお話くださっています。
水が澄んでいるとは、我々の心にほこりが無く、きれいな状態であり、逆に濁っているとは、心にほこりが積もっている状態であるということです。そして、その水を澄ますためには、「すいのと砂」である濾過機にかけて澄ましなさい、ということです。
つまり、我々人間の濾過機とは「胸」と「口」であり、悟り・諭しによって、よく心を治め思案し、それを人々へ伝えていくことで、心が澄まされるということをお教えくださっているのです。

では、悟り・諭しによって心を治めるためには、どうしたらよいのでしょうか?
私が思うには、まず自分自身を知るということが大切であると思います。
我々人間は情けないことに、他人のことはよく見えても、自分自身はよく見えていないことが多いです。他人の欠点はよく見えて、陰で愚痴を言うことが多くなります。これでは、いつまで経っても心を澄ますことはできません。
また、自分自身のできていないことは棚に上げ、できていることを他人と比べて優越感に浸ってしまいがちです。

優越感に浸る心理としては、

  • 「自分より下がいると安心したい」
  • 「自分の有能さを感じたい」
  • 「優越感を感じた時の快感を味わいたい」
  • 「人から認められたい」
  • 「他人から馬鹿にされたくない」

というような心理があるそうです。私自身、恥ずかしながら「確かに!」と思うことがあります。

「自分自身は頑張ればもう少しできるけど、あの人よりやっているから、これでいいか!」
「ここまでやっていたら怒られないだろう!」
「もし怒られても、あの人の方がやってないから言い訳ができる!」

など、矢印が自分ではなく、常に他人に向けられていることがあります。これでは、せっかく行った行為も他人のために、親神様・教祖に喜んでいただくためにやっているのではなく、「自分が怒られないため」「自分が認められるため」と、自分自身の保身のためにやっている行為になってしまいます。

このような心では、親神様・教祖が受け取ってくださるはずもなく、また心を澄ますことは到底不可能であります。
人には得手不得手があります。そのため、人と人が互いに立て合い、たすけ合っていかなくてはなりません。
ですから、他人と比べるのではなく、「自分自身がどれだけさせてもらえたか」。精一杯に喜んでさせていただくことが大切であると思います。
まず、自分自身を知ることの第一歩が、「矢印を他人ではなく、自分に向ける」ことから始めなくてはならないと思います。
そして、自分自身に矢印を向けた時、今まで無茶で曲がったことを平気で行っていた自分が恥ずかしくなることもあるでしょう。なぜならば、今まで他人に矢印を向けていたのは、自分自身に非があるからこそだからです。

また、他人が身上や事情となった際に、「待ってました」と言わんばかりに心の隙に入り込み、助けるつもりで諭しているつもりが、「やれあなたの心の使い方が悪いからや」「あなたのこういう行いが悪いのや」と、苦しめるようなことをしてしまいがちです。

それでは、せっかくの真心も逆効果になってしまうと思います。

「人をたすけさせてもらう心」と、「救い上げるという心」は違うと思います。
「たすけさせてもらう心」は、他人より高い心のような気がします。
「救い上げるという心」は、他人より低い心であると思われます。

まずは、自分自身の心を見つめなおし、親神様・教祖の教えを心の濁りの濾過機として、心を澄まして、他人の心より低い心で通らせていただきましょう。
そして、互いに立て合い、たすけ合いの精神で、親神様・教祖に喜んでいただける通り方を、皆さんで心がけていただきましょう

ご清聴ありがとうございました。

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相談者:教会長
メンタル心理カウンセラー資格受講修了 検定試験受験予定
上級心理カウンセラー資格 受講中

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