2025年7月月次祭講話要約「素直な心」

  今週から旭川でも連日30℃を超える猛暑となるようです。本日も大変暑い中ではありましたが、皆さまとともに7月の月次祭を陽気に勇んでつとめさせていただけたことを、心から嬉しく思います。ご参拝いただきました皆さまに、心より感謝申し上げます。

本日は「素直な心」について、お話をさせていただきます。

「素直な心」とは、どのような心のことを指すのでしょうか。調べてみますと、

  • 他者の意見やアドバイスを偏見なく受け入れ、それを自分の成長の糧としようとする謙虚な姿勢
  • 自己中心的な考えにとらわれず、物事の道理を理解しようと努める誠実な心構え

このように説明されています。


教祖殿逸話篇の中にも、これに通じるお話があります。

第49話「素直な心」

明治9年か10年頃、林芳松が5、6才の頃のことである。右手を脱臼したので、祖母に連れられてお屋敷へ帰って来た。すると、教祖は、「ぼんぼん、よう来やはったなあ。」と、仰っしゃって、入口の所に置いてあった湯呑み茶碗を指差し、「その茶碗を持って来ておくれ。」と、仰せられた。芳松は、右手が痛いから左手で持とうとすると、教祖は、「ぼん、こちらこちら。」と、御自身の右手をお上げになった。威厳のある教祖のお声に、子供の素直さから、痛む右手で茶碗を持とうとしたら、持てた。茶碗を持った右手は、いつしか御守護を頂いて、治っていたのである。

この逸話の中で、もし芳松が「右手は痛いからできません」と反発していたら、どうなっていたでしょうか。おそらく、右手のご守護はいただけなかったのではないかと思います。しかし芳松は、教祖のお言葉に対し、「疑わない心」「純粋な心」「信じる心」すなわち「素直な心」をもって応じたからこそ、御守護をいただけたのだと思います。

しかしながら、現代社会では「理屈」ばかりが先に立ち、自らは行動を起こさない姿勢や、「無駄なことは一切しない」という誤った「合理性」、また「損か得か」でしか物事を判断しない風潮が強まっているように感じます。そうした中では、「素直な心」は時に「幼さ」や「非効率」と誤解されてしまうことすらあるのではないでしょうか。


京セラの創業者・稲盛和夫氏は「素直な心」について次のように述べています。

「素直な心とは、自分自身のいたらなさを認め、そこから努力するという謙虚な姿勢のことです。とかく能力のある人や気性の激しい人、我の強い人は、往々にして人の意見を聞かず、たとえ聞いても反発するものです。しかし本当に伸びる人は、素直な心をもって人の意見をよく聞き、常に反省し、自分自身を見つめることのできる人です。そうした素直な心でいると、その人の周囲にはやはり同じような心根をもった人が集まってきて、ものごとがうまく運んでいくものです。自分にとって耳の痛い言葉こそ、本当は自分を伸ばしてくれるものであると受けとめる謙虚な姿勢が必要です。」と述べています。

また、パナソニック創業者・松下幸之助氏も「素直な心」について次のように述べられています。

「素直な心とは、寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であります。また、静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心であります。」と述べられています。

この両人に共通する「素直な心」とは、①謙虚で自分の非を認め、私心なき心で広く人の意見を受け入れること。②素直に自分自身を見直す事は、人間的な成長の土台であるということ。③他者との良好な関係性を築く力となることであると述べられています。つまりは、我々も人間ですから皆間違いはあるので、その非を認めて相手の意見を受け入れて修正することが、人間を成長させることであり、良好な人間関係を築くために必要な事であるということです。こうした「素直な心」をもっていたからこそ、両人は人として、また経営者としても成功を収められたのだと私は思います。


では、親神様が我々に求める「素直な心」はどのようなものでしょうか。

 それは、諭達第四号にあるように、「他者への思いやりを欠いた自己主張や刹那的行動があふれ、人々は己が力を過信し、我が身思案に流れ、心の闇路をさまよっている。親神様は、こうした人間の心得違いを知らせようと、身上や事情にしるしを見せられる。頻繁する自然災害や疫病の世界的流行も、すべては私たちに心の入れ替えを促される子供可愛い親心の現れであり、てびきである。一れつ兄弟姉妹の自覚に基づき、人々が互いに立て合いたすけ合う、陽気ぐらしの生き方が今こそ求められている。」

 本日の祭文でも奏上させて頂いた通り、自然災害や疫病の世界的流行、食料不足など親神様からの厳しいお仕込みを、我々の成人が足りないということを「素直な心」で受け止め、おつとめで収まりを願うのみではなく、お救けや・ひのきしんを通して地域へ伏せ込みをさせて頂く事が大切なのではないでしょうか。そして、互いに立て合い・救け合う「陽気ぐらし」の生き方を実践していくことが、今まさに求められているのだと思います。

 現在、教会では月1回のこども食堂と子育て講座を行っており、6月には天理教災救隊による道北ブロック訓練も実施され、これらの活動を通して地域に貢献させていただいております。さらに、小学校の登校の見守りをさせて頂いており、さらに8月30日に北海道教務支庁で開催される「福フェス」では、模擬店の出店をさせて頂きます。また、町の清掃活動に参加することも1つですし、さらに教会や施設での草取り・掃除なども、互いに立て合い・救け合う「陽気ぐらし」の実践だと思います。このような活動を通して、人々の心に寄り添い、自分に与えられた役割、また自分の役割を超えて「素直な心」で奉仕する姿勢が、「陽気ぐらし」の種まきとなり、親神様・教祖にお喜び頂き、ご安心いただける行動であると、私は確信しております。

 教祖140年祭に向けた年祭活動も残すところ、半年をきりました。お互い何事にも「素直な心」で通らせて頂けるよう、日々努めてまいりましょう。


本日は、「素直な心」について、私なりの考えをお話しさせていただきました。

最後までご清聴いただき、誠にありがとうございました。

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相談者:教会長
メンタル心理カウンセラー資格受講修了 検定試験受験予定
上級心理カウンセラー資格 受講中

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